(技術情報)Beambox/Pro 光路調整方法
本動画に映っている機種は beamo です。参考としてお使いください。
レーザー照射痕がズレている場合、光路の調整を行う必要があります。
光路が正しくない時の傾向:
1. 同じ彫刻がある箇所では深く、他の箇所では浅くなる。
2. 作業エリア内の場所によってカットできたり、できなかったりする。
必要工具: 付属品に含まれる、②トルクスレンチ、③両頭レンチ、④両面テープ
お客様でご用意いただく工具:①2.5mm六角レンチ、プラスドライバー、ペンチ
プラスドライバーを使用し本体背面のバックカバーネジを外し、カバーを開きます
光路調整の手順:
1. Y 軸方向は、第一反射鏡の角度が関係しています。第一反射鏡を調整する際は第二反射
鏡に両面テープを貼り、照射痕の確認を行います。第一反射鏡の調整が正しく行われていると、左上のパルス照射痕と左下のパルス照射痕が一致します。
2. X 軸方向は、第二反射鏡の角度が関係しています。第二反射鏡を調整する際は第三反射
鏡入口の丸い穴に両面テープを貼り付けます。第二反射鏡の調整が正しく行われてい
ると、左中央のパルス照射痕と右中央のパルス照射痕が一致します。
3. Z 軸方向は、第三反射鏡の角度が関係しています。第三反射鏡を調整する際はレーザー
ヘッド先端部に両面テープの粘着面を上にして貼り付けます、第三反射鏡の調整が正しく行われていると、レーザーヘッド先端部に押し付けた際の輪郭に対し中心にパル
ス照射痕が出ます。
注意:
1. パルス照射の際はカバーを開けないでください。開けると安全機能により動作が停止し
ます。
2. 光路を調整する場合、「アクション」から「出力率」を x 0.50 に変更すると照射痕が小
さくなり、より正確に調整する事が可能です。調整完了後は「出力率」をx 1.00 に戻します。
3. パルス照射の際、バチっと異常な音が発生した場合は、電源を切り、直ちに使用を停止してサポートにお問い合わせください。
レーザー管からの照射:
目標:レーザー照射痕が第一反射鏡上にあることを確認する。
方法:
1. バックカバーを開き、両面テープを第一反射鏡の丸い金属フレームにレーザー管と水平
になるよう貼り付けます。
2. フロントカバーが閉じた状態で、本体タッチパネルから「アクション」>「パルス」を
タッチし、反射鏡の枠を避けてパルス照射痕が鏡の中にある事を確認します。
第一反射鏡:
目標:左上での照射痕と左下での照射痕を一致させる。
方法:
1. モーターのロックを外し、テープを貼り付ける:タッチパネル「アクション」から「モ
ーター」をタッチし、レーザーヘッドのロックを解除した後、両面テープを画像のよう
に第二反射鏡の金属フレームに貼り付けます。
2. 左上でレーザー照射痕を確認する:レーザーヘッドを手動で左上に移動させ、フロント カバーを閉じた後、「パルス」をタッチします。アクリルカバーを開け、レーザー照射痕 の位置を確認します。
3. 左下でレーザー照射痕を確認する:両面テープは張り替えず、レーザーヘッドを手動で左下に移動させ、フロントカバーを閉じた後、「パルス」をタッチします。照射痕が左上
と左下で同じ位置に重なっているか確認します。2 つの照射痕が同じ位置に重なっていない場合、第一反射鏡の背面にある調節ネジを回し、左下の照射痕が左上の照射痕に重
なるように調節します。
※ 左下の照射痕が確認できない場合、光路が大幅にズレている事を意味します。
左下の位置ではなく、左中央の位置で試してください。左上と左中央の照射痕が重なっ
ていることを確認した後、再度左上と左下での照射痕が重なるよう、調整します。
4. 第一反射鏡を調整する:両頭レンチを使用し、調節ネジを固定したままナットを緩めます。
※ ネジロック剤で固定したナットが緩まない場合はペンチ等をネジにかませナットを緩めてください。照射痕の移動方向に応じて調節ネジを時計・半時計回りにまわします。手順 2~4 を繰り返し、左下の照射痕が左上の照射痕に重なるまで繰り返します。照射痕の移動方向の判別が難しい場合は新しい両面テープを貼り直します。調整が終了したら調整ネジを固定したままナットを締めます。
※ 調節ネジも回ってしまうと再度光路がズレる可能性があります。
最後に左上と左下の照射痕が一致している事を確認します。
第二反射鏡
目標:左中央と右中央での照射痕を一致させる。
方法:
1. 画像のように第三反射鏡入口の丸い金属フレームに両面テープを貼り付けます。
2. 左中央の照射痕を確認する:
レーザーヘッドを手動で左中央に移動させ、フロントカバ
ーを閉じた後、「パルス」をタッチします。フロントカバーを開け、レーザー照射痕の位
置を確認します。
3. 右中央の照射痕を確認する:レーザーヘッドを手動で右中央に移動させ、フロントカバ ーを閉じた後、「パルス」をタッチします。フロントカバーを開け、左中央と右中央での照射痕が同じ位置で重なっているか確認します。2つの照射痕が重なっていない場合、 第二反射鏡の背面にある調節ネジを回し、右中央の照射痕が左中央の照射痕に重なるよ うに調節します。右中央の照射痕が確認できない場合、光路が大幅にズレている事を意味します。右中央の位置ではなく、中央の位置で試してください。左中央と中央の照射痕が重なっていることを確認した後、再度、左中央と右中央での照射痕が重なるよう、調整します。
4. 第二反射鏡を調整する: 両頭レンチを使用して調節ネジを固定したままナットを緩めます。
※ ネジロック剤で固定したナットが緩まない場合はペンチ等をネジにかませ、ナットを緩めてください。
照射痕の移動方向に応じて調節ネジを時計・半時計回りにまわします。手順 2~4 を繰
り返し、右中央の照射痕が左中央の照射痕に重なるまで繰り返します。照射痕の移動方
向の判別が難しい場合は新しい両面テープを貼り直します。調整が終了したら調節ネジを固定したままナットを締めます。
※ 調節ネジも回ってしまうと再度光路がズレる可能性があります。
最後に左中央と右中央の照射痕が一致している事を確認します。
照射痕の水平方向
目標:照射痕が丸い金属フレームの垂線(図の黒い実線)に位置するように、レーザーヘッ
ドの位置を微調整します。
方法:照射痕が丸い金属フレームの垂直線(図の黒い実線)に照射されていない場合は、レ
ーザーヘッド位置の微調整を行います。
2.5 mm 六角レンチを使用し、レーザーヘッドを固定している X 軸レール上にある 4 本の六角ネジを緩めます。照射痕の位置に応じてレーザーヘッドを赤い矢印の移動 方向へ移動します。4 本のネジを大まかに締め、レーザーヘッドを手動で中央に移動 し、「パルス」をタッチします。フロントカバーを開き、照射痕が垂直線上にあることを確認します。確認後、4 本の六角ネジを固定します。
第三反射鏡
目標:レーザーをレーザーヘッドノズル出口の中心に照射する。
方法:
1. テープを貼り付ける:
両面テープを取り出し、ノズルの先端部に粘着面を上にして貼り
付けます。ノズルの先端部の輪郭がテープの接着面に付くよう両面テープを優しく押しつけます。
2. 作業エリア中央でレーザー照射痕を確認する:
作業エリアの中央にレーザーヘッドを移動させ、「パルス」を押したあと、フロントカバーを開き、照射痕がノズル先端部の輪
郭に対し中心に照射されている事を確認します。照射痕が中心にない場合、第三反射鏡
の上にある調節ネジを調整します。
3. 第三反射鏡を調整する:
両頭レンチを使用し、調整ネジを固定したままナットを緩めま
す。照射痕の移動方向に応じて調節ネジを時計・半時計回りにまわします。手順 1~3
を繰り返し、照射痕がノズル先端部の輪郭に対し中心に照射されるまで調節します。調
整が終了したら調整ネジを固定したままナットを締めます。
※ 調整ネジも回ってしまうと再度光路がズレる可能性があります。
最後に照射痕がノズル先端部の輪郭に対し中心に照射されているか確認します。
上記の調整が完了すると作業エリアのどの位置でもレーザー出力が均一に照射されるようになります。レーザー加工開始前に再度「カメラの校正」を行ってください。
カメラの校正
1. A4 サイズの紙をハニカムボード枠内の左上に置きます。
2. Beam Studio 内左上にあるメニューから「マシン」>「筐体名」>「カメラ校正」をクリックします。
3. 右の画面が表示されたらレーザーヘッド
の高さを調節し、彫刻物との焦点を合わせます。
4. レーザーヘッドを手動で彫刻する紙の左上に持っていき、彫刻開始をクリックします。
5. 彫刻が開始され、紙に次のマークが彫刻されます。
6. 彫刻後、次の画面が表示されます。
7. 黄色丸枠内の矢印アイコンを使用し、彫刻された5のマークが中央に表示されるよう、調整します。
8. 青枠の数値(X、Y、回転、X 比、Y 比)を調節 し、彫刻された5のマークに赤い四角の外側が重なるよう調整します。
また、下記の「光路の高度な調整」を行う事で、さらにレーザーを垂直に近づける事ができ ます。
高度な調整:
光路の垂直調整 目標:ノズル固定リングからノズル先端部までのレーザー照射痕を円の中心に調整し、垂直に近い状態に調整する。
方法:
1. テープを貼り付ける:両面テープを第三反射鏡入口の金色の丸枠に貼り付けます。
2. 作業エリア中央でレーザー照射痕を確認する:レーザーヘッドを手動で中心に移動し、 「パルス」をタッチし、フロントカバーを開きます。
3. 中心からのオフセット値を計測する:照射痕と金色の丸枠中心の距離 x (mm)を計測し ます。照射痕は中心より若干上に照射されるよう調節する必要があります。
4. 第三反射鏡を調整する:両頭レンチを使用して調節ネジを固定したままナットを緩めます。各ミラー調整ネジを第三反射鏡と三角型ミラーホルダーが平行(項目3 での x mm) の間隔になるよう 調節します。
5. ハニカムボードを下げる:ハニカムボードを下まで下げます。
6. テープを貼り付ける:ノズル固定リングを緩め、レーザーヘッド先端部と固定リングを
取り外し、画像のように両面テープの粘着面を上にして貼り付けます。
7. レーザー照射痕が中心にくるよう調節する:レーザーヘッドを作業エリア中央へ移動し、
フロントカバーを閉じた後、「パルス」をタッチします。フロントカバーを開け、固定リ
ングソケット部分に貼り付けた両面テープの照射痕が、ソケット部分の輪郭に対し中心
に来ているか確認します。中心に来ていない場合、第三反射鏡の調整を行い、照射痕が
中心に来るまで調整します。
8. レーザーヘッド先端部を取り付けた状態で、第三反射鏡を調整する:レーザーヘッド先
端部を元の位置に取り付け固定リングを締めた後、「第三反射鏡を調整する」を参照し、
レーザー照射痕を再度中心に照射されるよう調整します。
9. カメラの校正を実行する:レーザー加工開始前に再度「カメラの校正」を行ってくださ
い。