最適なレーザー加工機を見つけるために
3.見落とすべからず
July 1 2024
これまで最適なレーザー加工機を見つけるために、レーザーの種類と特性、加工対象の材料素材、サイズ、加工深さを考慮した選定方法について説明してきました。基本的にこれらを理解していると、「加工に関する事項」において、自分に合ったレーザー加工機のスペックを選定することができます。
ここでは、最後に見落としがちだけれども後悔しないために考えておいた方がよいことを掲載しています。本記事の前に、「最適なレーザー加工機を見つけるために1.レーザーの種類を知る」、「最適なレーザー加工機を見つけるために2 考慮すべきポイント」を読まれることをおすすめします。
見落とすべからず
1.加工ソフトの使いやすさ
2.筐体材質、排煙機構、レーザークラス
3.本体サイズ=フットプリント(設置面積)でない
4.エアアシストで安全に加工品質を上げる
5.カメラ機能で失敗を防ぎ、材料歩留まりを上げる
6.オートフォーカスを便利に使う
7.レーザー加工+α加工
1.加工ソフトの使いやすさ
レーザー加工機は、加工ソフトがないと動きません。加工ソフトは、テキストや画像を材料のどの位置に加工するのか決めるためのもので、データは有線や無線でレーザー加工機本体に送信されます。加工ソフトでインポートできるファイル形式やどこまで修正/調整ができるのかは、どこまでレーザー加工できるのかに直結するので重要です。
加工ソフトでは、どのようなデザインをどこに配置するか以外に、「レーザー出力」と「加工速度」を必ず決めます。この2つのパラメータをデザインレイヤー(デザイン線のあつまり)ごとに設定してやることで、そのデザインが彫刻加工になったり、カット加工になったりします。このレイヤー操作のしやすさも使い勝手に直結します。
2.筐体材質、排煙機構、レーザークラス
背面ファンから排気されます
後ろにスペースがあるのが分かります
beamo背面
Ador背面
筐体で覆われているか、排煙機構がついているかということは、レーザー加工の出来にも影響を及ぼしますが、作業環境にも大きな影響を与えます。レーザー加工エリアが筐体で隔離されておらず、排煙機構がない場合に木材やアクリルなど煙の出る材料を加工すると、部屋に煙が充満します。
また、筐体が金属でできているかどうかも重要です。なんらかの要因で加工物が燃え広がった際に、樹脂製の筐体だと容易に燃えてリスキーです。そのため、FLUXのレーザー加工機はすべて金属製です。
レーザー加工機は、レーザー製品の安全基準(Safety of laser products)という国際規格IEC 60825-1(JIS C6802)で安全性をクラス分けされています。クラス1は、「合理的に予測できる条件下で安全である」という最も高いクラスで、筐体がありインターロックがついているFLUXのレーザー加工機はクラス1を取得しています。ただし、筐体がなく組立式のLazervidaのみクラス4となっています。
3.本体サイズ=フットプリント(設置面積)でない
青色の本体部分だけでなく、オレンジ色のスペースも設置には必要です
CO2レーザーの場合、冷却水用吸排気口を塞ぐとレーザー管温度が上昇します
排煙機構は本体背面についているファンで強制的に筐体内から煙や粉塵を排出するエアフローを作ります。排出したエアはダクトを使って窓から作業部屋の外に出すか、オプションの集塵機に接続することになります。必然的に窓か集塵機のそばにレーザー加工機を設置することになりますので、選定前に設置場所のことを考えておくことは大事です。
Lazervida以外のFLUXレーザー加工機は、ダクトが同梱(約1.7m蛇腹)され、すべて背面ファンから排煙する構造となっています。そのため、ダクトの取り回しスペース分を考えて設置する必要があります。また、電源ケーブルやWi-Fiドングルなども背面についているので、本体サイズ=フットプリントにはなりませんので作業台寸法などに注意してください。
4.エアアシストで安全に加工品質を上げる
エアアシストは加工中常にエア吹きつけ
エアは先端側面のチューブから供給
左がエアアシストなし、右があり
エアアシストとは、加工物にレーザー照射される部分に、エアが加工中絶えず吹き付けられる機能のことを言います。この機能は、意図したレーザー加工部分以外に意図しない加工をさせないためにあり、燃えカスが滞留せず炎がつかないようにすると同時に、周りに燃え広がらないようにします。
エアアシストは、木やアクリルなどの燃えやすい材料ではマストと言っても過言ではありません。一目でわかるくらいに加工品質に差が出るからです。FLUXのレーザー加工機は、本体にエアアシストが内蔵されているか、オプションで選択できるようになっています。
5.カメラ機能で失敗を防ぎ、材料歩留まりを上げる
CO2レーザー加工機のカメラ機能
ダイオードレーザー加工機のカメラ機能
レーザー加工機を使う際には、材料のどの位置に意図する加工をすればよいかを加工ソフトを使って決める必要があります。世の中のレーザー加工機には十字線マーカー光を照射して位置合わせするものもありますが、ズレてしまう可能性があります。その点、カメラで材料を撮影し配置すると、デザインと材料の位置関係が一目瞭然なので直感的でとても分かりやすくなります。
また、過去に加工して穴だらけになった端材のまだ使えそうな部分を狙ってデザインを配置することもできるので材料の歩留まりも良くなります。FLUXレーザー加工機は、Lazervida以外のレーザー加工機にカメラ内蔵されています。
6.オートフォーカスを便利に使う
CO2レーザー加工機beamoのオートフォーカス
ダイオードレーザー加工機Adorのオートフォーカス
レーザー光はどのような種類のレーザーであっても、最終的に集光レンズを通して加工物に照射されます。そのため、レーザー光にはレンズの焦点距離が存在し、光の束が一番細くなる部分でエネルギー密度が最大になります。レーザー加工においては、最もエネルギー密度が高い部分で加工することが重要となります。
レーザー加工機には、マニュアル(手動で)で焦点距離を合わせるものとオート(自動で)焦点距離を合わせるものがあります。基本的にヘッド部分を上下させて焦点距離を合わせます。毎回同じ厚さの材料を加工するならば、一度焦点距離を合わせるだけで材料変更時に再調整する必要がありません。しかし、頻繁に異なる厚さの材料を加工する場合は、その都度焦点距離を合わせる必要があります。焦点距離を合わせる作業は数秒で終わりますが、何度も行っていると手間と時間がかかります。そういった場合に便利なのがオートフォーカス機能です。
FLUXレーザー加工機では、AdorとHEXAにオートフォーカスが標準搭載されています。また、beamoにはオプションでオートフォーカス機能を追加することができます。オートフォーカス機能はボタンを押すだけでヘッドがモーター駆動により上下して最適な高さ(焦点距離)に調整します。材料厚さが頻繁に変わるかという視点で選定してみてください。
7.レーザー加工+α加工
レーザー加工機の中には、レーザーによる彫刻/カットだけでなく、別の加工を施すことができるものがあります。FLUX Adorがこれに該当し、Adorはヘッドモジュールを交換することでレーザー加工以外にも木や布、アクリルなどにカラー印刷をすることができます。
通常は、レーザー加工と印刷加工は別の機械で行いますが、Adorのような1台で何役も担えるレーザー加工機を使うことで1つの機械で2つの工程を実行することができ、リードタイム短縮や設置場所の省スペース化を図れます。
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